リクエスト作品

□肉まんは涙の味がしました
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「うー・・さっむー・・・」
この間まで暑かったのに急に寒くなった今日
薄手の服を着てきたのは間違いだった。
寒くて凍え死にそうなくらい寒い
「大丈夫ー?まふくん」
それにくらべて僕の隣にいる天月くんと言ったら
平気なのか見た感じ全然寒そうに見えない
「・・・天月くん寒くないのー・・・?」
「んー?うんまあ平気」
ぷうっと頬を膨らませ周りに誰もいないのを確認し、
少しだけ僕より背が高い天月くんに抱きつき胸元に顔を埋める
「ちょっまふくん!?」
天月くんは僕が急に抱きついたのにびっくりしている。
まあそりゃそうかな。
しかし・・・
「天月くんあったかすぎ・・・」
抱きつくと天月くんはすごくあったかくて寒かったのが一気に吹っ飛んでいった。
「そう?まあ人よりは体温高いほうだけど」
「うん。人間カイロだよー」
すっごい気持ちいいためこのまま抱きついとこっかな。と心の済で考えていると、
「まふくんいつまで抱きついてるのー・・・これじゃ動けないよ・・・」
「んー・・・」
「んー・・・ってもう・・・あ、じゃあちょっとだけ待っててくれない?」
「・・・わかった」
仕方なく剥がれると天月くんは僕の頭をポンっとしてどこかへと去っていく。
んー・・・なにをしにいったんだろ・・・?
それから10分
・・・天月くんが帰ってきません。
泣きそう。もしかして僕を放置してどっか違うところにいっちゃたの・・・?
そんなことを考えていたら目に涙が溜まってくる。
そのまま重力でぽろぽろと涙がこぼれていく
「・・・っ・・・天月・・・く・・・ん」
涙を止めようにもとまらない
「まふくん!!おそくなってごめん!!・・・ってちょなんでないてるの!?」
顔を上げるとそこにはずっと待っていた天月くんの姿。
僕の泣いている姿をみて手に持っていたのだろう荷物をおとして僕の前に駆けつける。
「あまっ・・・つきくんが・・・なかなか帰ってこないから・・・僕っ・・・」
「まふくん・・・ごめんね遅くなって はいこれ」
そういい僕に渡してきたものは
「・・・肉まん・・・?」
「うん まふくんが寒い寒いいうからこれならあったまるからさ」
僕のために・・・買いに行ってくれてたんだ・・・よかった・・・
そう思うとまた涙が溢れ出してくる。
「もう・・・まふくんの泣き虫」
「うる、さい・・・」
「はいはい。冷える前にたべたら?」
手の中のまだあったかい肉まんを口にいれる。
その様子を天月くんはニコニコと笑いながら見る
「おいしい・・・?」
「・・・しょっぱい」
「wwww」

肉まんは涙の味がしました。

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