小説

□男子高校生の性交♂立花幸人
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「先生、好きです。」
「ありがと、俺も好きだよ。」


このやり取りを何回繰り返しただろうか。
いつの間にか、習慣のようになっていた。こんな習慣、早く無くなればいいのに………




*




俺、立花 幸人(たちばな ゆきひと)は
養護教諭の水名瀬 真汐(みなせ ましお)
(25歳)に恋をしている。



俺は一応この学校の理事長の息子だから、大抵の先生や生徒には腫れ物扱いされていて、皆俺に気を使ってる。そんな教室の空気が嫌で、保健室でサボるか火賀達と一緒にいるのが普通になっていた。
そんな時、前の養護教諭が転任して、
新しい養護教諭として水名瀬がきた。

第一印象は“綺麗な人”ってだけで、特別な感情は抱かなかったが、先生と接していくうちに、この人は俺をちゃんと見てくれることに気付いた。

いつものように保健室でサボろうとしてベッドに寝ていると、
「立花、お前どこも具合悪くないだろ?」
とか言ってきた。そんな事を言われた事がなかったから
「……はぁ……」
とか曖昧な返事をすると、
「それなら教室へ帰れよ…」
って。この人俺が理事長の息子ってこと知らないのかと思って
「先生、俺理事長の息子ですよ?」
と言うと先生は、
「? 知っているが?」
と答えた。まるで、それがどうしたとでも言うように。
「ふふ、先生面白いですね。俺のこと特別扱いしないなんて。」
俺は率直な感想を述べた。すると先生は、
「…立花、甘ったれるな。理事長の息子とか、そんな事は関係無い。お前はお前だ。しゃんとしろ!」
と俺に向かって怒鳴った。
「……ごめんなさい…………?」
怒鳴られて嬉しい、なんて初めてだった。そして先生は俺の頭を優しく撫でて、
「何かあったら話ぐらい聞くから。」
そう言ってくれた。

その時から、俺は恋に、堕ちた。




*




「先生、話したい事があります。」

「どうした?立花」

「俺、先生のことが好きです。」

「………。俺も立花のこと好きだぞ。」

最初の告白はこんな感じだった。
怒鳴られた次の日に、告白した。
でも先生は、少し驚いた顔をしただけで、普通に流された。


思えば、自分から誰かを好きになるなんて初めてだ。
今までに付き合った事もあるし、SEX
も人並みに……いや、人並み以上に?経験してる。
来るものは拒まず、特に追ったりもしない。
SEXだって、誘われればする、程度だった。
それなのに。今は先生を犯したくてたまらない。
早くあの綺麗な顔を、快感で歪ませてみたい…………そう思うようになっていた。




*





「先生、好きです。」
「はいはい、俺もだよ。」

またいつものパターン。

「ねぇ、先生? 先生も俺のこと好きなんですよね?」
「ああ。」
「じゃあ俺とSEXできますか?」
「………は?」
「俺はできますよ。」

そう言って俺は椅子に座っている先生の後ろに回った。

「むしろ今すぐしたいです……」

先生の耳元で囁くように、低音で言った。

「……大人をからかうんじゃない。」
先生は平然としたままだ。
………つまらない。

「からかってなんかいませんよ。」
「………あぁ、そう言えば、お前に言いたい事があった。」
「なんですか?」
「校内で不純異性行為はやめろよ。」
「…?どうしたんですか急に。」
「昨日だよ、放課後、教室で。」

昨日…?ああ。何か女子に一回だけってお願いされてヤったんだっけ……。

「見てたんですか?いい趣味してますね、先生」
「たまたま通りがかったんだよ…。
とにかく、校内でそういう行為は控えろ。」

………これはもしかして……
「やきもちですか?」
「……!?…誰に妬くんだよ?」

先生の顔が少し赤くなっている様に見えるのは俺の気のせいだろうか。

「先生が俺の相手してくれるならもう俺先生以外の人としません。
俺、本気ですよ?水名瀬先生」

そう言って俺は保健室をあとにした。
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