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□告白
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「突然ですが!!!!提案があります!!」
放課後、C太は勢い良く言った。
C太、B子、D音の3人は教室に居るのだが、A弥が見当たらない事を少し気にしていたB子は突然の大声にびくっ、と肩を震わせた。驚愕の眼差しでC太の方に顔を向ける。
「…は?C太、急に何なの…?」
「C太さん、…どうかしたんですか」
本を読んでいたD音は“頭がおかしくなったのか”とでも言いたげな呆れた表情でC太を一瞥する。
C太はふっふっふ、と含み笑いをすると、B子とD音を見、言い放つ。
「A弥に告白しようよ!!!みんなで!!」
しーん、と静寂が流れる。
C太は満面の笑顔だがB子とD音の目はとても冷たい物だった。だがC太は動じず続ける。
「それで、みんな告白して一番A弥をキュンキュンさせる事が出来た人には賞品が出る、と!!」
…当の本人に悪気は無い様だが。
馬鹿か。
そんな沈黙が飄々と流れた。
「何だよ何だよ二人共!B子だってA弥の事好きじゃん」
「はぁッ!?何でそうなるのよ!あんな奴好きになる訳無いでしょッ!?」
顔を真っ赤にして怒るB子はかなり動揺した様子で、答えは一目瞭然だった。
「大体、何でC太が同じ男のA弥に告は「賞品か―……。どうしようね」
C太は反論するB子に構わず大きめの独り言を漏らす。
「オレの持ってる物……、そうだ、A弥のパンツとか良いんじゃない?43枚あるけどオレのお気に入りは抜いて、…うーん、明け渡せるのはざっと2枚位かな?」
目を伏せて手を口に当て、考え込むポーズなんかを真剣にしているが、C太の口から出た言葉は衝撃的だった。
「……何でC太A弥のパンツなんて持ってんのよ」
「やっぱりC太さん変態紳士ですね」
更に空気が凍り付く。
「当たり前じゃないか。オレとA弥は幼な馴染みなんだかr」
「馬鹿じゃない!?変態!!ホモ!!D音も何か言ってやりなさいよ!」
「C太さん、甘いですね。私はB子ちゃんのパンツ50枚以上所持しています」
「ほら!D音もそう言ってるんだからちゃんとし…って!!D音!?それ本当なの!?」
「はい…?本当に決まってるじゃないですか。私B子ちゃんには嘘は吐きませんよ?」
にっこりと微笑むD音。B子の全身からさぁっ、と血の気が引いていく。
確かに毎回買って来ても買って来てもB子の箪笥からは無くなっていて、おかしいと思ったのだ。
「何で私の周りは変人と変態しか居ないのよ…!」
「元気出してよ。ほら、A弥のパンツあげるから」
「いらないわよ!!てかそれに何の使用価値が有るのよ!」
「B子、態々使用例を挙げた方が良いの?勿論オレが抜く時に使っ「うわぁああああ!最ッ低!!!」
B子は堪らずC太の向こう脛を蹴り飛ばす。C太は「いでぇッ!!」なんてイケメンに有るまじき悲鳴を上げた。
「もう何なのよ!気持ち悪い!!」
「大丈夫ですよC太さん、私も同じ様なものです」
「何でこう、まともな奴が居ないの……」
B子はD音にはあまり強く言えない事を知っているD音は呆然とするB子を見詰め、微笑んだ。
「……じゃあB子。B子の大好きなあの何とか何とか2ってアイドルのポスター、在るんだけど」
「……ッ、し、仕方無いわね……!別にA弥の事はどうでも良いけどポスターの為にやってあげても良いわよ…」
「B子はちゃんとした口実が無いと、こういうのやらないもんね」
「べっ、ベベベ別にそういう訳じゃないわよ!!」
「チッ……A弥さんとキ●マイに激々しく嫉妬の念を抱きます……。」
親指の爪をギリギリと噛み締めるD音。
「まぁ、B子ちゃんがやるなら…。私も本意ではありませんし、男なんて汚くて気持ち悪くて正直吐き気を催しますがB子ちゃんのポスター獲得の確率を僅かながら上げる為に貢献して仕方無く参加させて頂きましょう」
「よし、みんな参加って事で!あ、A弥の委員会終わった」
時計の秒針は5時を静かに差していた。

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