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□覚醒
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オレは昔から、どんなに大事な物を壊しても何とも無いような顔をする様な子供だった。
どんなに大切な物でも、壊れてしまえばがらくた同然。
同情や心残りなんて全くしない。
その感情が人間に対しても同じ様に向いているのだから困ったものだ。そう、自分でも自負している。
だから、その性質が“相手を愛する”事によって解消、改善するのかと昔は思っていた。
実際は。
やっぱり人間という物は何年の月日を経ても変わるものではなくて。
時に複雑で、乱雑で、大雑把だ。
実に残念。
まぁ実の本心を言えば、そんな倫理的な事、考えてもいなかったのだが。
他人の評価ばかりを気にする日々も少し疲れて来たのだ。何というか、体力も使うし、精神力も使うのだ。フル活用。
だから。
今日も愛する君に会いに行こう。
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