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◆no title 

あなたの目が前髪で隠れていてよかった。
あなたの目がまっすぐをみれない目でよかった。
虚ろな色をしていてよかった。
どこへも関心を向けないあなたでよかった。
よかった。
よかったよ、なんて、
どうしてそう思えるだろう。
こっちをみないで、とか言って、
そんなの勝手に、自分が傷つきたくないだけでしょ。

2015/11/13(Fri) 01:34 

◆まえの上に月 

どれだけ足掻いてみても、
無理なんだということ。




その日私は、ある人に全てを捧げた。
目の前の彼を見上げながら、
(ああ、こういうことなんだな。)
とぼんやり思った。
確かに、この人のことはすきだ。
でも目を閉じていつも脳裏に浮かぶのは、
どうしても違う男の顔だった。
これが終わったらきっと、
彼も私も何事もなかったようにまた日常に戻っていくんだろう。


私が一番に愛する人は、
私を一番に愛してはくれない。
彼は、今私の目の前にいる人を強く想っている。

恐ろしく醜い嫉妬だった。
愛する彼に対してか、
目の前の彼に対してかは曖昧だけれど。
彼らへの当て付けともいえるこの行為は
想像していたよりも気持ちが良いもので、
そう感じてしまった自分はひどく最低な人間なんだと思った。

2013/12/23(Mon) 01:19 

◆波の話 

恋をしている顔だった。
私とはまるで違う世界を見ているような。

頬を染めるわけではなく、ただ、彼はその人のことを見つめていた。
夕日に照らされた輪郭は細くすっとしていて、凛として見えるのにどこか儚げにみえた。

廊下のひんやりとした空気が、よけいにそう感じさせた。

真冬だというのに、窓から見えるサッカー部は、半袖半ズボンで白線の内側を走っている。

想うのはどの人?

彼はゆっくりと瞬きをして、ふい、と外から視線をはずした。

「帰ろ」
そう言ってみせた柔らかい彼の笑顔に、私はなぜか泣きそうになった。


彼はきっと恋をしている。
私とは違う世界を見ている。
けれど彼は、とてもかなしい思いをしている。
彼の濡れた眸を、私は見逃さなかった。
ただその一瞬だけ、私は彼と同じ世界を見ることができた。

2013/11/06(Wed) 01:54 

◆月の話 

じぶんのことがきらい
こわいのはひとりぼっち
けんあくにならないように
おもったことのさんぶんのにはかくす


もう、半分やけくそなような気がした。
毎日毎日、のーたりんなフリをして過ごすこと。笑顔を無理やり貼りつけて過ごすこと。奥底に隠しているものは日増しに黒くなっていくようだが、押さえつけていればきっと何の問題もない。
「そうだよね」とか「わかるー」とか、それらの薄っぺらい同意の言葉を駆使して、どうにか足場を保っている。
だってこの輪から弾かれたら、確実にひとりぼっちになってしまうし。
ちょっと天然っぽいいじられキャラを作って、神経を尖らせるように空気をよんで、にこにこにこにこ。
やけくそだった。
こんな、女みたいな媚の売り方。
嫌だな。
吐き気がする。
そうやって最終的に残るのは。
いつも自己嫌悪なんだ。

2013/10/15(Tue) 02:17 

◆今日が明日という憂鬱。 

もしも心臓に爪をたてることができたなら。今すぐにでも掻き切ってしまうのに。
もしも僕の頭上の天井が崩れてきたなら。
瓦礫に圧迫されて死ねるのに。
教室の隅で机に肘をついて、ぼんやりとそんなことを考えていた。どこを見ているわけでもなく、ただ時間が過ぎるのを待っていた。手元にある付箋はまだ半分以上残っている。無駄に買い揃えて、結局は全く使っていないそれ。見渡せば、付箋だらけの単語帳を開くクラスメイトが、一生懸命マーカーで線をひっぱっていた。
授業よはやく終われ。いっそ今この瞬間に世界も終われ。退屈すぎて中二病が再発したのだろうか。今日に限ってなぜか睡魔は襲って来ず、そのせいで午後のぬるま湯みたいな授業は無限にも感じられた。
死にたいな。
こういう時は大抵、訳もなく、無性に死にたくなる。
倦怠感と疲労感と喪失感に苛まれているような。
何もしていないのに、何もかもが面倒になる。なんだかもう、授業を受けるという行為自体が原因のような気もした。
気分の回復の仕方なんか全然わからない。
漫画を読めばいいのだろうか。
音楽を聴けばいいのだろうか。
思いきって寝てしまえばいいのだろうか。
いっそ1週間だけ不登校になりたい。
死にたいな。
ああ、死にたい。
死にたい。
死にたい。
授業が終わるまであと15分。
仕方なく机の上の参考書をチラリと見ると、微かに心が拒否反応を示すのを感じた。
あーあ、もう。だめだなあ。

2013/08/27(Tue) 00:53 

◆09 


どういうわけか、今日僕は彼を嫌いになりました。
どういうわけか、彼のことが憎くなって妬ましくなって、死んでしまえば良いと思いました。
あのキスもセックスも、囁かれた甘い言葉さえ忘れてしまうほどに。得体の知れない嫌悪感に苛まれました。

女が彼に触れました。
女の臓器を抉り出してやろうかと思いました。
ついでに彼の臓器も抉り出そうかと思いましたが、
その時僕は思いました。
抉り出して殺すくらいなら、僕の肉を食わせて太らせて僕のボロボロになった体を見て絶望して自ら火に飛び込んで魔女にでも喰われて云々。
わけがわかりませんでした。


僕は彼が好きでした。
大好きでした。
愛しすぎて、
愛しすぎて、
愛しすぎて、
気がついたら僕の中のリミッター的な何かがぶっ壊れていたのです。
実にありがちな話です。
ただの愛情の裏返しでした。
自分が何を言っているのかわかりません。

どういうわけか、今日僕は改めて彼に告白をしました。
彼に、知ってるよ、と言われました。
その笑顔をみて、殺したいなぁ、と思いました。
きっと答えは明確でした。
なぜなら僕が彼を愛していたからです。

2013/07/03(Wed) 00:30 

◆08 

震える君の声は
一瞬で空気を変えた
漂う冷たさに君は気づいたか?
落ちるのは当然で必然だ

底辺でさ迷いながら
それでもまだ
上がりたいと言うのか
もう無理だよ

誘蛾灯にふらり
すがりつく
飛び回る
君は何処の子?
誰も君の灯りにはなれない
近づけば近づくほど
土色の翅は避けられ
なんて残念だ
ここに君の場所はない

甘い甘い果実のような
繋ぐ手を見つけたかい?
でもね それには毒があるよ
きっととっくに腐っている

有害な隣粉は
撒き散らし尽くしたようだ
結局留まるのは此処か?
君はどうかしてるよ

翅をもいでしまいたい衝動
触れるのすら嫌悪する
蠅を下に見れたものか
灯りはそろそろ消えそうだ

あのね 教えてあげるよ
君の場所は何処にもないのさ


______________


だってうざかったんだもん。

2013/06/07(Fri) 23:14 

◆07 

知らないふりで
笑ってみせて
わからないように
傷をつけて
昨日も今日も最悪だった
この先も多分最悪だ

私を愛して死んでよ
首を絞めるから生きてよ
普通じゃないのは僕じゃない
あなたも私も平気だよ

泣かないでって言えちゃう君は
のうのうと生きて
幸せなんだろ?
僕はね
僕の全部を投げ捨てたって
きっと幸せにはなれないさ

泣かないでとしか言えない私は
いっそあなたの身代わりになりたい
私はね
あなたのことを幸せにしたい
抱きしめたくて仕方ないの

この嗚咽で窒息したいと思う程には
僕は僕を終わりたい
無理矢理に君を脱がせたら
君もどこかへ行ってくれるかな

寂しがりで愛されたがりな
あなたの涙が
私の水分になってしまえばいい
あなたが私を生かすんだよ
じゃなきゃ
あなたは特別になってしまうよ

嫌だな 嫌だな
好きなんて ありえない
でも涙が甘く感じたら

僕を殺して愛してよ
心臓が潰れるくらいに
撃ち抜いてみせて
好きにならせてよ

2013/05/26(Sun) 23:56 

◆06 

期待はされてない。
決して期待されていることはないけど、
やっぱり期待させたい。
俺にもできるんだって。
諦めてないんだって。
好きなことなら
いつまででもやり続けられる。
好きなことにしよう。
俺は勉強が大好きだ。
今まで俺は寝てました。
けれどそれは睡眠学習でした。
そういうことだ。
馬鹿だろう。
馬鹿なんだよ。
今から俺は馬鹿になります。
血を吐く程に
涙が止まらなくなる程に
゛好きなこと゛をやり続けます。
さあ苦しめ。
きっとこれが
最初で最後なんだから。
苦しんで苦しんで、
散々苦しんだ後、
大いに笑え!


BGM:栄光の架け橋/ゆず



だって受験生だもの。屑海

2013/05/09(Thu) 19:05 

◆05 

今までの僕の人生は
僕に自信を与えるどころか
今ここに生きている意味を
問いたくなってしまうような
そんなもので
劣等感で死にたくなった
指先も出ないほど埋もって
これからも屑なんだって
何か秀でたものじゃなくてもさ
僕と言えばってのが
あればよかったな
振り返っても足跡がひとつもないんだ
濡れたティッシュみたいな僕は
いつか早々に淘汰されるのだ
苦しみなんて僕は知らない
今日もつまらないと言って終わった
僕に呆れる僕はなんだ?
嫌いだ嫌いだみんな嫌いだ
嫌いだ嫌いだ僕が嫌いだ
みんなみんな僕が嫌いだ
死んじゃえって思うと
大好きなものも
大嫌いになる
そんなのとっくに知っていた
でももう僕なんか死んじゃえ

2013/04/23(Tue) 22:19 

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