高校最後の夏







温暖化のせいで暑かった夏休み。クーラーを効かせた部屋で小さなテレビ画面に映るドアップの山本の姿を150センチまで伸びたリボーンと二人で見ていた。わぁわぁと歓声を上げながら応援する画面越しとこの部屋との温度差はすごかった。リボーンもオレも山本をぼんやりと静かに見ていた。

一階で母さんやイーピン、ランボとビアンキの歓声が響く。ハルと京子ちゃんは甲子園球場で応援している。でも、オレは今自分の部屋にいる。

「山本、頑張ってんな」

「……うん」

「しっかり応援しろ。お前、アイツの親友だろ?」

うん、と即答しようとしてできなかった自分に驚いた。リボーンも目をガン開きしていた。

世界も日本も東京も並盛も。何一つ変わりやしないけど、今この部屋にいるオレたちだけは変わった気がした。

「……バカツナ。山本を見捨てる気じゃねぇだろうな?」

そうかもしれないし、違うかもしれない。



世界も日本も東京も並盛も知らない小さな変化にオレたちは動揺した。

オレと山本の別れの日まで後七ヶ月――。



End





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