※雲雀さんが壊れています。苦手な方はお引取りください。
静かな部屋のなか、ぼんやりと早書きされたメモを眺めた。
“十一代目を雲雀恭弥に指名して、十代目沢田綱吉は死亡”
沢田綱吉がボスの座を手放して早一週間。死んだというのが嘘だというのは足を撃たれた部下に吐かせて、知った。
「綱吉、何を考えてるの」
頑なにボンゴレを手放すことを拒んだのに、どうしてそんなに簡単に手放す気になったのだろうか。幹部たちの命が危ないと知っていたのに。
「……気味が悪い」
何か裏があるはずに決まっているはずだ。でも、これは好都合だ。
先ほど行われた会議内で綱吉の死の知らせに守護者は驚き、そして僕が十一代目になるということに驚いていた。
ボンゴレの血を持たぬものにボスの座を渡すなんて……。
そんな声が聞こえてきた。僕はこれから部下になる男たちに向かって言った。
「君たちは考えが古いんだよ」
嘲笑ってそう言った僕に、会議に参加していた六道は眉間を寄せていた。読心術が可能な人物が二人もいる部屋で僕は心の中で叫んだんだ。
――天下は僕のものだ!ってね。
End