身体も失った







大好きだって伝えたい。

守りたいと言いたい。

ねえ。
君が好きなんだ。

どうしたらいいんだろね。


「伝える術を失った僕はどうすればいいの」

好きだという三文字が伝えられない。

君が死んだら伝えられないじゃん。

ああ。

「来たんだね」

目の前にいる君を見て笑う。

「迎えに来ました、雲雀さん」
さあ、と手を出す綱吉の手を取った。その瞬間に見えた悪魔の姿に笑う。

「馬鹿な男」

綱吉の皮を被ったむくろを見て笑う。

馬鹿なのは、どっちなのさ。


「お互い様だよッ!」

大きく振り下ろしたトンファーが肉片を潰す音がした。


そして僕は綱吉の体も失った。

END





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