パラレル

□エピローグ T
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〔本年度の卒業生は、荷物をまとめ、午前1時に正門前に集合せよ。繰り返す・・・〕

各寮に、そういったアナウンスが流れる。

「なぁなぁ、マムシ〜」

「るっせぇ!マムシ言うな!!」

シャンデリアの淡い蝋燭の光が、円形の部屋を照らす。

マムシと呼ばれた、そして、先ほど合格の喜びを心の中で叫んだ青年は海堂薫と言った。


その下で、海堂と同室の桃城―――黒いツンツン頭に、人なっこい顔が好印象な青年だ―――は、必死になって懇願していた。
そんな彼を一瞥し、服や 日常品で溢れたベッドの上で、自分の荷物をトランクに詰めていく。彼が海堂を呼んだのは、不器用故にバックの中に荷物を入れる事ができなかった為である。現に今、桃城のベッドの方には、訳も分からないものが転がっており、かなりゴチャゴチャした状態だ。

「いいじゃねぇかよ、手伝ってくれたって!!」

「テメェその不器用さ、どうにかしやがれ!!」

そう言ってすっかり身支度の済ませた海堂は、壁に掛かった時計を見る。丁度、8時半になった所だった。ふと桃城を見て、彼のベッドの上の無惨な物達を見、再び桃城を見る。

そして、大きなため息をついたのだった―――。
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