パラレル

□エピローグ T
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卒業後は、どの学園も例外なく王宮に勤める事になる。しかし、最近の魔術部は、卒業後何処に進学するかは学園に一任されている。希望を取り、あとは成績や実技によって勝手に部署を決められてしまうのだ。
しかも、王宮騎士団は王宮内でも人気ナンバーワンの部署である。普段、あまり勉強しない自分(まぁ、テスト週間は、人並みにはやっているが)は、果して夢を叶えられるのだろうか・・・。

一応、海堂は勉強で、桃城は実技体育で、今回卒業した。 しかも、互いにかなりの成績である。海堂の知識の豊富さと魔力なら、かなり地位の高い部署につくことが出来るし、桃城は桃城で、王宮騎士団以外になったとしてもやっていけるだろう。何せ、死神の血が4分の1も入っているのだ。人の生死を裁く事の出来る種族の血が通っている彼ならば、欲しがる部署は何処にでもあるだろう。

「何して、時間潰す?」
「・・・決めてねぇよ。・・・・・・・・・・・・オラっ!全部詰めたぞ。」
海堂は、ぴったりぎっしり詰まったトランクを桃城に投げ渡す。ぐぐぐーっ、と大きな伸びをして、ベッドに倒れ込んだ。

「おっ、おい・・・。」
「寝る。テメェのせいで疲れた。」

あたふたしている桃城に、「30分前になったら、起こせよ。」といい放ち、うつ伏せになって直ぐに眠りの世界に入っていってしまった。


海堂がすっかり眠った事を確認すると、ハーと溜め息をつく。

「・・・ったく・・・。静かだと、全然可愛いのにな・・・。」

そう呟き、海堂の頬を撫でる。白いきめ細かな肌に、指が馴染んで心地よい。 海堂は、違和感を感じたのか、顔をしかめたが、瞳は相変わらず閉じたままだ。
桃城も、気にせず撫で続けた。
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