パラレル

□エピローグ T
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闇夜をそのまま写し取ったような、漆黒の髪。大きな瞳は、まるで黒曜石の美しさそのもの。思わずキスしたくなるような、赤くふっくらとした唇。肌は雪のように白く、男にしては細い腰に、程よい筋肉ーーーー「海堂薫」とは、このように様々な人を魅了してやまない青年である(無意識だが)。しかも、天然ときてるから堪らない。

桃城は、この学園に入ってきてから、海堂を守ってきた。その度に死にかけてきたが、海堂が無事ならばそれで良かったりする。

惚れた奴を、一生守り続けよう――――桃城が海堂と共に、この学園に入った時心に誓った。そして、再び刻む。
きっと、いや、絶対に王宮の人たちも、海堂に惚れる。


・・・この想いは一方通行だけど、それでも構わなかった。いつか気付いてくれると信じているから。

・・・いや、無理か。こういうことには、かなりニブイからな・・・

桃城は、もう一度大きな溜め息をついた。

でも

「負けねぇなぁ、負けねぇよ。」
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