パラレル
□エピローグU 前編
2ページ/5ページ
「ところで、桃城。」
「ん?」
「俺が寝てる間、何してたんだ?」
高くなった月が、学園全体を包み込む。
長い螺旋階段を降りながら、海堂は聞く。
「ん?・・・ほら、さっき話した噂あったろ?それを確かめに行ってたんだよ。」
「さっきの・・・?ああ、あの、一学年スキップしたって奴か・・・。・・・どんなのだった?」
「くそナマイキな奴だったよ。」
桃城はマントの隠れたところから、小型のナイフを取り出した。
「・・・試したのか・・・?」
好奇心が入り交じった声で、海堂は訪ねると、彼はうなずいた。
「嫌な奴だったぜ・・・。」
そう言って、海堂にことの次第を話始めた―――――。