パラレル
□エピローグU 前編
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まだ声変わりのしてない、高い声。
ダークグリーンのショートカットの髪を、白い帽子から覗かせた、生意気そうな深緑色の瞳の三白眼の少年だった。
「越前リョーマだろう?」
「そうだけど、何?」
明らかに、疑っている。声が不機嫌だ。
「俺、桃城武。お前と一緒に、今年卒業。」
ニカッと笑い、自己紹介。
「ヨロシク・・・。」
「おう!ヨロシクな!!」
手を差し出し、人懐っこい笑みで握手を求めた。越前はおずおずと手を差し出し、握手した。
「部屋、入っていいか?・・・先生に見つかっちまう。」
「・・・いいっスよ。」
越前は、桃城を部屋に招き入れた。
自分達の寮よりも、一回り小さいその部屋は、キレイに整頓されており、もう出発の用意は万全だ。
薦められた椅子に座り、二人は色々話した。初めは緊張していたのか、あまり会話が弾まなかったが、桃城の明るい性格が幸いし、段々互いに話すようになった。
そして、世間話をするように真正面の越前に訊ねた。