パラレル
□エピローグU 後編
6ページ/13ページ
「ヤベッ!!」
ガバッ 思わず立ち上がった桃城を押さえ込もうと、もう片方の腕も首をつかむ。が、なおも桃城は歩もうとする。
「あっ……、まだ勝負がついていなかったみたいだな……。」
海堂との約束を思い出した桃城は、俄然やる気がでた。
「……一体、何があったんスか……?」
少々いぶかしみながらも、越前は力を込めようとしたが。
「オラァァァアアアッ!!!」
「!!なっ!!」
どこにそんな力が残っていたのか。越前の腕を振り払い、投げ飛ばした。
「危なっ!!」
「くらえ!!ジャック・ナイフ!!!!」
空中で体制を整えていた越前に向けて、雷を帯びたナイフを投げつけた。
「……っ…なめんなっ!!」
“鈍色地獄”を左右に振って、ナイフを払おうとするが、それは逆効果だった。
「ぐぁぁぁぁあああっ!!!」
鋼の鋏(フルメタル・シザーズ)である“鈍色地獄”は、金属の法則である「電気を流しやすい」を忠実に再現した。
激しい電撃が、越前を襲う。空中で受け身をとっていた彼は、悶えながら、落下していく。
しかし、諦めてはいなかった。
「っ……!!」
「!!」
越前は“鈍色地獄”を投げ捨て、地面につく寸前、翼の風圧で持ち直した。