空合わせの恋路

□6話.2つの光輝
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キラキラと輝く
とても素敵で特別なもの

でも、もしもそれが
たくさんあったとしたら

存在価値なんてなくなっちゃうのかな?


特別なものは
数が少ないから特別になれるんだ















ハナダシティ。

さすが水の町と言われるだけあって、港のあちこちにボートで移動してる人がいた。



そんな町にある、下手したら結婚式あげられちゃうってぐらい大きい大豪邸。




「カスミの家って…ここ!?」

「そうよ。さ、入って!」


うながされて少しとまどいながら家の中にはいると、すぐに数人のメイドがかけよってきた。


「お帰りなさいませ、カスミ様!……あら?そちらは?」

「あっ、イミテっていいます!」

「オツキミ山でロケット団と一騒動あってね、そこで知り合ったの。」

「まあ!やっぱり、まだロケット団がうろついていたんですね。」

「ええ…。でも特訓の成果がでて、この前みたいにケガはしなかったわよ!」

「この前って…?」


私は少し首をかしげて、カスミに聞いた。


「ああ…あのね、私1週間ぐらい前にもオツキミ山でロケット団と会って戦ったの。」

「ええ!?」

「その時は力不足だったから、少しケガしちゃったんだけどね。でも…、」


カスミはチャーミングなウインクをして、明るく言った。



「やられたままじゃ悔しいから特訓して強くなって、これ以上被害者をださないためにオツキミ山に行ったってわけ!」

「へー…!」



カスミは、強い人だ。

やられた悔しさをバネにして、また立ち向かうなんてすごいと思う。



「あ、今日はイミテが家に泊まるから、食事と寝床の準備お願いね。」

「かしこまりました。」



メイドに指示するカスミ。

こんな大きな家に住んでて、メイドさんまでいて、でも全然高飛車じゃなくて…。

うーん、カスミって何者…?



「イミテ。さっきの戦いで泥だらけだから、お風呂入ってきたら?」

「あっ、うん!お借りします。サンも一緒に入れていいかな?」

「サン?ああ!さっきのサンダースね。もちろんいいわよ。」


カスミはにこっと笑う。


「そこの廊下の突き当たりを右に曲がった階段を上って、渡り廊下を渡って、それから……、」

「えっ?えっ!?」


どんだけ広いんだこの家は!

もともと方向音痴だから、もうチンプンカンプンなんですけど…。


「……メイドに案内させるわ。」

「お手数おかけします…。」



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