□※バトテニ不動峰
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ふと気がつくと放送の時間。






ちょっとした緊張感が俺達3人の中に走る。







「……まずは死者を発表する。氷帝、忍足侑士、自殺。向日岳人、刺殺。ルドルフ、柳沢慎也、銃殺。野村拓也、銃殺。青春学園、大石秀一郎、刺殺。菊丸英二、自殺。…以上だ。次は危険エリアだ。エリアCの3、エリアCの4…以上だ。」






俺達3人はドっと息を吐いた。






この場で不謹慎かもしれないが、不動峰の生徒がまだ死んでいないコトに安心した。






そんな時、深司が口を開いた。






「うわぁ…死因まで言うの…コレ…。趣味悪いよなぁ…なんなんだよ、全く…」






深司は表情こそ変えないものの、かなり自分のおかれてる状況に恐れているに違いない。






いつ死ぬかわからない。






いつ殺されるかわからない。






いつ裏切られるかわからないこの状況。






この状況で平静でいられるヤツはいないだろう。






その一方、神尾は複雑そうな顔をしている。






俺は安心させてやろうと神尾の頭を撫でる。
神尾は驚いたかのように見上げてくる。






「大丈夫だ。俺達はずっと一緒にいれるんだ。な、深司」






そう深司に話しを振ってみる。






けど、深司から返事はない。






「深司?」






俺はそう聞き返す。






「橘さん…静かに。」






その時、木の影から誰かが出てきた。






俺達3人はサッと身構える。






そして出てきたのは






「……石田!」






同じ学校の石田だった。






ほっと息をついたつかの間…






「橘さん、死んでください」






信じられない石田の言葉。






石田は武器である包丁を取り出した。






深司と神尾は俺の前に踊り出る。
「死ね!死ねぇえッ!!!!!!」






包丁をぶんぶん振り回して走ってくる。






神尾も同じ武器である包丁で応戦する。






「アキラ邪魔だ!退け!!」






石田は神尾の腕を切った。






「うぁあぁあッ!!」






神尾は地面に倒れる。





神尾の血で地面に血溜まりを作っていた。






石田は神尾を無視し、俺だけを狙う。





神尾もそれに気付き






「なんで橘さんだけ狙うんだよッ!!!!!」






と言った。






俺は避けるのに精一杯で武器を出せなかった。






深司は隣でボソボソとぼやいていた。






俺は避けるのに必死で深司がなんと言ったのかわからなかった。






そして石田の攻撃を避けきれなかった。






絶対にやられると覚悟した。






けど、刃が刺さる感じ。






刃が刺さった時に感じる痛みは一向にやって来なかった。






恐る恐る目を開いて見ると目の前に深司。






「橘さんはまだ死なせないよッ……ッ…俺ッ……橘さん守って死ねるなら幸せだし…俺って幸せ者だよね…」
そういう深司の腹部を見ると包丁が深々と刺さり、血が滴りおちている。






「がはッ……!!!」






深司は倒れようとしなかった。






そして深司は武器である日本刀で石田の腕を肩から切り落とした。






「ああぁあぁああぁッ!!!!!!!!」






石田の腕は深司の腹部に残されたままダランとしていた。






「うわぁ……ッ…気持ち悪い…ッ…」






深司はそう言って石田の腕と腹部に残された包丁を引き抜いた。






「うぁッ…!!!」






そして深司は地面に崩れるかのようにして倒れた。






もうすでに息はない。





神尾のほうも意識はない。






石田も意識が朦朧としているだろう。






そんな石田の心臓に俺は憎しみを込めて深司の腹部に残っていた包丁を突き刺した。






石田の血がシャワーのように降り注ぐ。






そして俺は深司やアキラを守れなかったコトに悔やみ、自分の頭に銃口を向けて引金をひいた。






そして俺の意識は途絶えた。






俺達4人、目覚めるコトのない眠りについた。
 

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