OMNIBUS
□男だけの文化祭(翔陽編)
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「ねね、三井さん。今日、オレ、翔陽の藤真さんから翔陽祭のチケット頂いたんです。」
ピラピラと三井の目の前で緑色のチケットを見せる神。
だが・・・・、何かが足りない。
「で?良かったじゃねーか。牧か清田とでも一緒に行くのか?」
若干怒り気味の三井。実は、神がチケットを2枚持ってて「三井さん、一緒に行きましょ(ハート)」ってのを期待してたのが、とんだ期待外れだった為、機嫌を損ねてしまったらしい。
だが、神は、そんな三井の心中はお見通しである。
「やだ三井さん。オレが一緒に行くのは、三井さんしかいないじゃないですか?それに、牧さんも信長も一緒に行く人、決まってますよ?」
牧は、魚住・赤木といったゴツイメンバーと、清田は何故か宮城・桜木・流川の湘北問題児と一緒に行くことになっているらしい。(清田の目的は、実は晴子目当てらしい)
「・・・・でもオレ、チケットねぇし。」
何でオレと一緒に行くなら、オレの分まで藤真に貰わなかったんだよ。気が利かねぇな。と三井は内心思った。
「でも、家に帰ったら届いていると思いますよ?だって、藤真さんが『三井の分は、うちの長谷川が郵便で届けるらしいから』って言ってましたから。長谷川さん、自ら三井さんに渡したいって言ってたらしいですよ?」
「そっそか。」
長谷川に感謝する三井。(今度会ったら、メシでも奢ってやるか。)
「そーです。だから、来週の日曜日、一緒に行きましょう。」
三井は、自分もチケットを貰える事が分かり、ちょっと機嫌が良くなった。
「おう。しょうがねぇな。で、藤真らは、何すんだ?」
そういえば普通、高校の文化祭なんかチケット制ってのはあまり聞かない。(少なくともこの界隈では)不良時代も、ヤンキーが集まる高校の文化祭には行った事があるが、翔陽とか海南のようなお坊ちゃん高校の文化祭なんか初めてだ。きっと、入場制限とかあるに違いねぇと三井は妄想してた。
「う〜ん。チケットを見る限りじゃショーをやるらしいですけど・・・。今年は、バスケ部が体育館を貸し切ったって藤真さん、言ってましたから、きっと盛大なショーなんだと思いますよ?」
盛大な、ショー?・・・サーカスでもやんのかな?(by三井)
「ふ〜ん、楽しみだな。」
藤真に手渡されたチケットは、翔陽祭の入場券ではなく、バスケ部が主催するショーのチケットだったのだ。(しかも、有料らしい。)
自分の妄想とは若干違ったと今更ながら思う三井だった。(しょうがねーじゃん。オレ、文化祭って湘北のも参加したことねーし、竜や鉄男の学校のしか行った事ねーもん。by三井)
しかし、どんなショーをするんだろう??
それは当日までのお楽しみであった。