小説部屋
□受け継がれるもの
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「あら…?」
先刻まで読んでいた本を閉じ、視線を久々に活字から外したロビンは小さく呟いた。
暇さえあれば読書に没頭しているロビンが、目を上げたのには理由がある。
船が夕闇に包まれつつあったからだ。
(そろそろ夕御飯)
そう思っていたからこそなのに、当然キッチンにいるべき人物が、視線の先でいつもの面々とハシャイでいる。
「どうやったらこんなもんばっかり釣り上げられるんだよ、テメェは?」
「全くだぜ。お前は不思議釣り人か?」
「なんでだよぉ?ウマそうじゃん!」
「ダメだゾ、ルフィ。長靴は食えねぇ。」
船長の後ろには他にも釣り上げたらしい、この船の凄腕コックでもどうしようも出来ないようなものが、山と積まれていた。
「コックさん。」
ロビンはそんなやりとりに微笑みながら声を掛けた。
「はぁ〜い♪なんでしょう?ロビンちゅわ〜ん!」
「今日は夕食はソレなのかしら?」
「とんでもない!今日の夕御飯はスペシャルですよぉ♪」
「みんな―っ、出来たわよぉ!」
その時キッチンからナミの声が響いた。
「今日はナミさんが、作って下さったんです。さ、キッチンへ参りましょう。マドモワゼル♪」
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