小説部屋
□夢のカタチ
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夢のために生きてきた
叶えるためならなんだってやってきた
なんだって…
目を醒ましたのは夜中だった。
揺れる体がここは船の中だと言うことを教えてくれた。
部屋のあちこちから寝息が聞こえる。
隣のマットで枕を抱えて寝ているのは船長さん。
剣士さんは壁を背に、三本の刀を携えて寝ている。
あそこで互いに身を預けて寝ているのは…船医さんに航海士さん。
テーブルで、コックさんと長鼻君がなぜか同じポーズで寝ている。
自分の今の状況を理解するのにそう時間はかからなかった…
大将青キジ…
彼の言ったことに間違いなどなかった。
「裏切っては逃げのびて…取り入っては利用して…」
私のこれまでの人生をこれ以上的確に表現することは出来ないだろう。
たったひとつの夢のために
どれくらいの犠牲を払ったかなんて…
もう、自分でもわからない。
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