小説部屋
□月光
1ページ/5ページ
「はぁ〜…食った食った。」
「ていうか、お前は食い過ぎだろ!人の分まで取りやがって。」
「オレ、先に風呂使ってもいいかナ?」
「どうぞ、船医さん。」
「今日の夜番はだぁれ?」
「あぁ…オレだ。」
「そ。じゃあ頼んだわよ〜。」
「寝るなよ、ゾロ。」
「うっせェ。」
夕飯を終えてがやがやとキッチンから出てきた麦わらクルー達は、それぞれに下に降りていった。
サンジは一人キッチンに残り、後片付けを続けている。
昼間の喧騒が嘘のような、静かなデッキ。
今日の夜番であるゾロは
一人
そこに佇んでいた。
聞こえるのは
波の音だけ
見上げた夜空には
満天の星
そして
星の輝きに負けることなく
堂々とした月が昇っていた…
「今夜は満月…か。」
誰に言うでもなく呟いてみる。
―あの日もこんな満月だった…
→next