小説部屋
□気にいらねェアイツ
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メリー号甲板
嵐のような昼食が終わり、膨大な量の洗いものを終えたサンジがキッチンから出てきた。
毎度のことで慣れているとはいえ、手を抜くことのない料理の作成に始まり、ルフィを始めとする野郎共の凄まじい食欲との戦い、レディ達への過剰な程の気遣い、そして後片付けや次の食事に向けての仕込み等々…疲れないと言えば嘘になる。
とりあえずおやつまでに必要な作業を全て終え、束の間の休息。
やれやれとばかりにくわえた煙草に火をつけようとしたその時、視界に入ったあるものに眉をしかめた。
甲板の隅
うららかな陽射しの下で大の字になり、いかにも気持ち良さそうにイビキをかいている一人の男。
もちろんゾロだ。
別に悪い事ではない。
昼寝を禁止している船なんて聞いたこともない。
波は穏やかだし、他の皆も思い思いに自由な時を過ごしている。
ただ…
今まで働き通してちょっとバテたサンジには、その余りにも気持ち良さそうな姿が気に入らなかった。
端的に言うとムカついた。
考えるよりも早く、自然に足を振り上げる。
そのまま下ろしたら頭の上。
躊躇う事なく足を振り下ろす。
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