小説部屋

□光
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外は雨が降っていた。
ひどく鬱々とした雨。
じっとりと、肌に纏わり付く、重く湿った空気。

「人は暗闇で雨だれの音を聞き続けると、気が狂う」と聞いたことがある。

いくら外が暗いとはいえ、そこまでではない。
気が狂うことはないだろう。

ただ…

気分まで重くする雨音が、忘れていた記憶を連れてじわじわと迫ってくる。
思い出したくない、むしろ忘れてしまいたい、そう思っているのに心の奥底にいつまでもこびりついている闇。

普段なら思い出すことすら忘れているのに…。
やはりこの雨が、雨音が原因なのだろうか。



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