小説部屋

□HAPPY Birthday
3ページ/6ページ

「イッキシ!!…いくら冬島で暮らして寒さに慣れていても、冬はやっぱり寒いなぁ。」

冬島にも冬が来た。年中冬のこの島でも、冬は特別寒くなる。
町に行っても人々は家にじっと籠り、昼でも静かな空気が漂っていた。

「さてと…そろそろ行くか。」
「ドコに?」
「ん?そいつは行ってからのお楽しみだ。エッエッエッ。」

「ドクター、そっちは町じゃないよ?」

ヒルルクはそんなチョッパーの問いかけが聞こえないかのように、ご機嫌で歩いていく。

「♪真っ赤なお鼻の〜トナカイさんは〜♪…か。」
「何の歌?」
「これか?“赤鼻のトナカイ”ってんだ。他のヤツと鼻の色が違うトナカイの歌さ。まるで誰かさんみたいだな。」

チョッパーは自分の青っ鼻を見つめた。

「赤鼻のトナカイはいつも悩んでいた。みんなにバカにされるしな。だがある日サンタクロースに言われるんだ。」
「サンタクロース?」
「世界中のよい子供に、年に一度プレゼントをくれる人だ。」
「スゲェ、そんな人がいるのかァ?!」
「あいにく俺は悪い子供だったから、会った事はねぇがな。エッエッ…。」

ヒルルクは愉しそうに笑いながらこう続けた。



→next
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ