小説部屋
□HAPPY Birthday
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「イッキシ!!…いくら冬島で暮らして寒さに慣れていても、冬はやっぱり寒いなぁ。」
冬島にも冬が来た。年中冬のこの島でも、冬は特別寒くなる。
町に行っても人々は家にじっと籠り、昼でも静かな空気が漂っていた。
「さてと…そろそろ行くか。」
「ドコに?」
「ん?そいつは行ってからのお楽しみだ。エッエッエッ。」
「ドクター、そっちは町じゃないよ?」
ヒルルクはそんなチョッパーの問いかけが聞こえないかのように、ご機嫌で歩いていく。
「♪真っ赤なお鼻の〜トナカイさんは〜♪…か。」
「何の歌?」
「これか?“赤鼻のトナカイ”ってんだ。他のヤツと鼻の色が違うトナカイの歌さ。まるで誰かさんみたいだな。」
チョッパーは自分の青っ鼻を見つめた。
「赤鼻のトナカイはいつも悩んでいた。みんなにバカにされるしな。だがある日サンタクロースに言われるんだ。」
「サンタクロース?」
「世界中のよい子供に、年に一度プレゼントをくれる人だ。」
「スゲェ、そんな人がいるのかァ?!」
「あいにく俺は悪い子供だったから、会った事はねぇがな。エッエッ…。」
ヒルルクは愉しそうに笑いながらこう続けた。
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