小説部屋

□また会う日まで
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守りたい人達の為、一人で戦ってきた。
自分一人の力ではどうしようも出来ない相手と…。
死んで楽になることすら、出来ずに。

村を救ったのは…あたしではなかった。

全てが終わった夜に、一人アーロンパークに立ち尽くした。
あの時、水面に映ったあたしの表情は…今のビビと同じだ。



「ね、ビビ?」
「あ…すいません。私またボーッとしてましたね。」
「この宮殿て、ホントに広いわよねぇ?」
「え?…まぁ、そうですね。」
「見張り台とかないの?高いところに行きたいな。」
「もちろんありますよ。案内しましょうか?」
「うん。お願い。」

ナミの突然の申し出に、ビビはなんだかよくわからないという顔をしたまま、二人は宮殿の見張り台へとやって来た。

「やっぱり高いわね〜。気持ちいい〜♪」

そこからはアルバーナ全域だけでなく、その先に広がる砂漠までずっと見渡す事が出来た。

「こうやって見るとほんとに広いわね、この国は。」
「えぇ…。」

この広い国
暮らすたくさんの人達

全てを一人で救ってみせるなんて、ただの私の傲りでしかなかったのかも知れない…。




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