小説部屋

□遡る夜 歩き出す朝
4ページ/7ページ

「馬鹿な事を言うな!!お前みたいな子どもに、刺青など彫れるわけがなかろう!!」
「お願いドクター!!」

何度も何度も頼み込んで入れてもらった刺青。

チクチクと針が刺さる。

痛いよ。

痛いよ。


でも、ナミも耐えたんだから―



「これで終わりじゃが…これだけ広範囲に渡って入れたから、きっと熱を出すぞ。今日はここにいろ。」
「大丈夫。ありがとうドクター。」

精一杯の笑顔で、家に帰った。

本当だ。
ドクターの言う通りだった。

刺青を入れた肌が熱を持ち、小さな体には堪えきれない痛みと高熱が襲った。

熱いよ。

熱いよ。


でも、ナミは泣かないって決めたから。
あの子は一人で戦っているんだから―




ナミがひどい傷を負って帰って来た。

私は手当てをする事しか出来ない。
ナミはこんなになってまで、戦っているのに!!


情けない。

情けない。


ふがいなさと歯がゆさに、泣きたくなった。

でも、泣くもんか―




→next
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ