小説部屋
□遡る夜 歩き出す朝
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数日後の朝―
「じゃあね、みんな!!行って来る!!」
ナミは笑顔でそう叫ぶと、仲間と共に船に乗って、旅立って行った。
自分の夢を叶えるために。
「やれやれ。ノジコも、寂しくなるな。」
村人の一人が声をかける。
「ん?ぜ〜んぜん。」
ノジコは笑顔で、こう返した。
意外な返答に、村人はびっくりしたような顔をする。
ナミとノジコは昨夜、二人の時を過ごしていたのだった。
「これであんたも夢を叶えられるね、ナミ。」
「うん…。」
「なにしけた顔してんの?ベルメールさんが止めたって、絶対言うこときかないんでしょ?」
「そうだけど…ノジコ、寂しくない?ノジコにも夢はあるでしょう?私だけが…」
「夢?あるわよ。とびっきりのがね。」
ナミの言葉を断ち切るかのように、ノジコが口を挟んだ。
「そうなの?どんな夢?」
ノジコはナミにそっと耳打ちした。
ナミの顔が明るい笑みで満たされていく。
「じゃあ、楽しみにしておくわね。ノジコ。」
「任せておいて。」
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