小説部屋

□message
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アラバスタ

国の復興は順調に進んでいた。

ビビはカルーと共に、活気に溢れる夕暮れの城下町を自室から眺めていた。

「ビビ、ちょっといいかな?」

ノックの音と共に父であるコブラ王の声がした。

「はい。どうぞ、お父様。」

返事をしながらドアを開ける。

「お前に見せたい所がある。外に行く支度をしなさい。」

珍しくイガラムを連れていないコブラは、父ではなく国王の顔でビビに告げた。

「分かりました。直ぐに。」

その真剣な眼差しに何かを感じたビビは手早く身支度を整えた。

「お待たせしました。」
「クエェッ。」

カルーも当然の如くビビについて部屋を出ようとする。

「ごめんね、カルー。待っていて頂戴。」
「クェ…。」

コブラが止めるより早く、ビビはカルーにそう告げた。

二人は城の裏手、余り人目につかない所からそっと出ると、互いに黙ったまま歩みを進めた。

辺りは日が沈み、月明かりが二人を照らし出す。

ビビには予感があった。

国王が行こうとしている場所、それは―

「わかっていたようだな。」
「はい。」

ルフィとクロコダイルとの闘いで崩れ去り、秘密裏に復興されつつある場所。


二人が着いたその場所は…

葬祭殿であった。




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