小説部屋
□message
3ページ/13ページ
アラバスタ
国の復興は順調に進んでいた。
ビビはカルーと共に、活気に溢れる夕暮れの城下町を自室から眺めていた。
「ビビ、ちょっといいかな?」
ノックの音と共に父であるコブラ王の声がした。
「はい。どうぞ、お父様。」
返事をしながらドアを開ける。
「お前に見せたい所がある。外に行く支度をしなさい。」
珍しくイガラムを連れていないコブラは、父ではなく国王の顔でビビに告げた。
「分かりました。直ぐに。」
その真剣な眼差しに何かを感じたビビは手早く身支度を整えた。
「お待たせしました。」
「クエェッ。」
カルーも当然の如くビビについて部屋を出ようとする。
「ごめんね、カルー。待っていて頂戴。」
「クェ…。」
コブラが止めるより早く、ビビはカルーにそう告げた。
二人は城の裏手、余り人目につかない所からそっと出ると、互いに黙ったまま歩みを進めた。
辺りは日が沈み、月明かりが二人を照らし出す。
ビビには予感があった。
国王が行こうとしている場所、それは―
「わかっていたようだな。」
「はい。」
ルフィとクロコダイルとの闘いで崩れ去り、秘密裏に復興されつつある場所。
二人が着いたその場所は…
葬祭殿であった。
→next