小説部屋

□message
5ページ/13ページ

アラバスタ

葬祭殿はほとんどその姿を戻しつつあった。

今日の作業は終わりを迎えたらしく、辺りに人影はない。

入り口手前でコブラは歩みを止め、一見何の変わりもない地面の、とある場所に手を添える。

グッと力を込めると、地面が四角く盛り上がり、地下へと続く階段が現れた。

「こっちだ。急いで入ろう。」
「はい。」

コブラに続いて、多少緊張した面持ちのビビは階段を降りた。

地下とは思えぬ広さをもった聖殿。
一度バラバラに壊れたため、復旧作業中でもその傷跡は生々しいものがあった。

しばらく歩くと、大きな石が目の前に現れた。

コブラはその石に辿り着くと、そっと手を触れ、ビビに厳かに告げた。

「これが、“歴史の本文”(ポーネグリフ)だ。」
「これが…。」

初めて見るその石を、ビビはただただ見つめていた。



→next
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ