小説部屋

□気にいらねェアイツ
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男部屋

ナミに殴られたゾロは同じく不機嫌な顔でハンモックに転がっていた。

別にナミに腹を立ててるわけではない。
まぁ、それはそれで気分のよいことではないが、頭に来るのはあのコックだ。

何かにつけてはつっかかって来やがる。

アーロンパークではその前に鷹の目との戦いで傷を負っていたとは言え、アイツがいなけりゃルフィの復活はなかった。
レインディナーズで間抜けにも檻に閉じ込められた所を、かっこつけながら救ったのもアイツだ。

そして何よりムカついたのはハサミの背中の上。

「器用じゃねェんだ。…特にあの体力バカは。“七武海”のレベルを一度モロに味わってる…!!」
「ああ言ってやろうか。おめェはビビってんだ。ルフィが敗けちまうんじゃねェかってよ。」



「お前ら先行け!!おれ一人でいい!!」
そう言って七武海の一人、クロコダイルとのタイマンを選んだルフィ。
アイツらしい選択だし、おれ達がやるべき事はビビを先に進める事だ。
クロコダイルはアイツが抑える。

そう思ってはいても何故か落ち着かなかった。
自分でもこの苛立ちの原因がわからない。

コックの見透かしたような台詞にカチンと来ながら、その実「そうだったのか…」と思う自分が嫌だった。

「……ふん。」

手近にあった枕を、思わず壁に投げつけた。




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