小説部屋

□満月の夜
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得意気に話し続けるウソップとそれをキラキラした瞳で見つめるルフィとチョッパー。
ナミはそんな彼らをあきれた顔で見ていたが「ふっ…」と小さいため息をつくと視線を移し、ロビンに話しかけた。

「ねぇ、ロビン。そこに置いてある本ってどんな話?」
「これのことかしら?」

ロビンは先程まで読んでいた本を手に取ってみせた。

「そうそれ。面白かった?」
「ええ、とても。東の海の外れにあるとても小さな国に、昔から伝わる話を集めたものなの。ちょっと不思議な話や怖い話もあって、歴史的資料としても興味深いけど、物語として読んでも十分面白かったわ。」
「へぇ、確かに面白そうだね。」

お茶のおかわりを注ぎながら、サンジも話に加わってきた。

「素敵なレディの話に耳を傾ける雨の午後ってのをお願いしたいのですが、よろしいですか?」

ちょっと芝居がかった台詞でロビンにお伺いを立てると、ナミもその案に乗ってきた。

「私も聞いてみたいな。」
「ええ。いいわよ。」
「ちょっとソコ、うっさいわよ。今からロビンの話を聞くんだから静かにして!」
「話!?どんな話だ〜?」

狭いキッチンで踊りだしそうだった奴らにナミがそう一喝すると、『ロビンの話』が珍しかったのか三人ともこちらに興味を移してやってきた。
ロビンはパラパラと本をめくりながら話を選んでいたが、とあるページで指を止めると穏やかに話し出した。

「じゃあ、これにしましょうか…。これは、東の海にある小さな国の中の、とても小さな村に昔から伝わるお話なのだけど…。」





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