小説部屋

□光
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夢なんてとうの昔に諦めていた。
死にたいと思ったことなんて一度や二度じゃない。
死んだらどんなに楽だろう?
でも、そんなこと出来ない。

大切な人の夢を壊してしまった。
償いなんて出来ることと出来ないことがある。
そうだろう?
一生かけても返せない借りを作った以上、自分の夢なんて持つことすらバカげている。

死の淵を見た。
こんなところで死ぬわけにはいかないのに。
自分はこんな簡単に死んでしまうのだろうか?
あがいてももがいても、解けない縄が体を締め付ける。

夢を叶えたい。
でも、どうしたらいいかわからない。
このままずっと膝を抱えているしかないのだろうか?
自分はなんて臆病なのだろう。


暗い…どこまでも暗い穴の底にいるかのような感覚。
出口の見えない迷路にいつまでいればいいのだろう?
絶望と孤独が襲い掛かる。


ああ、こんな気持ち思い出したくなんてなかったのに!!
この雨が、心の嫌な扉を開けてしまった。





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