小説部屋
□光
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そうだ。
今はこんなにも明るい光の下にいるんだ。
あの日やってきた、麦わら色の光が、全ての闇を払ってくれた。
孤独な日々は終わり、こんな風に笑いあえる仲間がいる。
叶えたい夢がある。
もうあの暗い時間に戻ることはないんだ。
「なぁなぁ。なんでお前ら同じ顔で笑ってんだ?」
そう言われて互いの顔を見合わせた。
なんとなくわかるような気がした。
同じことを考えていたんだ…と。
「「さぁね。」」
こんなこと気恥ずかしくて言えるわけがない。
そう思って言った、ごまかすための台詞まで同じになってしまった。
思わずルフィ以外の皆が、声を上げて笑い出す。
「なんだよ、ソレ!?おれだけ仲間はずれなのか〜!?」
一人だけわけがわからずむくれる船長を中心に、皆でわいわいと談笑する。
そして久しぶりに思い出したあの時の気持ちを、心の中でそっと呟いた。
「ありがとう。」
end