小説部屋
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店内にはどこにいたのかと思うくらい、若い娘で溢れていた。
彼氏や親と来ているコもいるが、一番多いのは友達同士。
二、三人のグループが楽しそうに服を選んでいる。
それはとても当たり前の風景だった。
「ロビン、ロビン!!ねぇ、この服見て!!」
ナミが呼んでいる。
「ねね、たまにはこんな服どう?」
ナミが持っていたのは春色のハイネック。
ノースリーブで、ちょっと珍しい模様が控え目に入っていた。
「私に?」
「もちろん。似合うと思うな〜。ちょっと試着してみてよ。」
ナミに手渡された服をもう一度見る。
こんな明るい色調の服なんて、ロビンはこれまで着たことがなかった。
ロビンにとっての服は、常に動きやすいもの、目立たないものが基本だった。
それは闇に生きる者として当然のこと。
そもそもこんな風に誰かと服を見ていること自体が初めての体験なのだ。
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