小説部屋

□理屈じゃないもの
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最初は二人で始まった海賊団。
気付けば今船の上には他に六人もいる。

「おんもしれぇヤツばかりだし、すんげェヤツばかりだし。シャンクスに会う日が楽しみだな。」
「なんだ、それ?」
「おれさ、こどもの頃シャンクスに言ったんだ。『シャンクスの一味に負けない仲間を集めて、世界一の財宝を見つけて、海賊王になってやる』って。一味だけならもう負けてねェと思うな、うん。」
「たいした自信だな。」
「なんだよ、ゾロだってそう思うだろ?」

確かに…
麦わら海賊団の面々は、それぞれが優れた能力を持っている

「ナミがいなかったらとっくに海に沈んでいただろうし、サンジのメシは超うめぇし、ウソップのウソはおもしれぇし…。」
「そこは狙撃の腕にしとけよ。」

そげキングの活躍を知るゾロがフォローを入れる。

「ん、そうだな。それにチョッパーは七段変形するし…。」
「そこも医者だろが。」
「い、今言おうとしたんだ!!ロビンは何でも知ってるし、フランキーはサイボ…こんなすごい船を作った船大工だしな!!」

ルフィはもちろんウソップたちをバカにしているわけではない。
それぞれの能力は存分に分かっている。
それでも、どうしても「おんもしれェ」方に先に目がいってしまうだけなのだ。

「あとはいよいよ音楽家だよな。」
「おまえ、それ最初っから言ってるよな。」
「当たり前だろ?海賊は歌うんだ。」
「決まりかよ!?」

きっとこいつなら、またびっくりするようなのを見つけてくるに違いない。
最初から徐々に増えるメンバーを見てきたゾロは、確信に近い気持ちがあった。

「楽しみだな〜。しししっ。」

無邪気に笑う顔は、出会ったときから変わらない。
でも、こうして仲間を集め、それを率い、いつだって中心となって戦って来たのは、間違いなくこの『船長』だった。



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