お宝部屋

□アヒルの子
2ページ/8ページ

小さな港町に寄ったメリー号。この日はそれぞれ自由に町へと繰り出した。


そんな中、他のみんなよりも一足早く帰ってきた2人――チョッパーとロビン。
2人は古本屋へ行ってきた。そこで何冊か購入し、ただいま甲板にて買った本を整理している最中なのだ。



「古本屋ってすげェな!!いっぱいいろんな本があったぞ!」

「歴史あるものが、古本屋には多く売られていたりするのよ。」

「そうなのかァ。おもしろそうな本ばっかりだったもんな!」

チョッパーの古本屋に対する興味は未だに冷めない。

「また、違う街でも行きましょうか。」

「本当か!?楽しみだな〜〜・・・・・ん?」

と、チョッパーの目に一冊の本が目にとまり、それを山積みになった本から取り出した。
それは、他の本よりも薄く、全体的に黄ばんでいて表紙の字も古ぼけている。1番年季がはいった本のようだ。

「これ、ロビンが買ったのか?」

「いいえ。買った記憶がないわ。」

「おれもなんだ。買うときに一緒に紛れてたのかなァ・・・。」

「船医さん、その本を見せてもらってもいいかしら?」

「いいぞ。」

チョッパーはロビンに本を手渡した。ロビンは裏表と表紙を見て、パラパラと本のページをめくったりして調べてみた。

「童話みたいね。」

「どうわ?」

「昔から伝わる教訓を子どもにも理解してもらうために、わかりやすい物語が書かれたお話よ。」

「へェ〜。その本の題名はなんて書かれてあるんだ?」

「ごめんなさい。最初の文字がかすれていて読めないの。最後には、“アヒルの子”と書いてあるのはわかるのだけど。」

「アヒルかぁ・・・どんな話なんだろうな・・・」


チョッパーはいつの間にか古本屋への興味から、目の前にある本へと興味が移動していた。


「読んでみましょうか?」

「いいのか!?」

「えぇ。私も初めて読むわ。」

チョッパーは目を輝かせながらその場にちょこんと座る。
ロビンはゆっくりと本を開き朗読を始めた。




物語の幕があける―――
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ