小説部屋
□強さの理由
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「じいちゃんの船は早ぇなぁ。もう見えねぇぞ。」
「そうだな。」
「なぁなぁエース。」
「何だ?」
クリクリとした瞳の“弟”が、服の裾を掴みながら尋ねる。
あまりにもあどけない、幼い瞳。
「今日から二人なんだな。しししっ。」
新しい島。
新しい生活。
…こいつには不安というものがないのだろうか?
ワクワクした表情をいっぱいに浮かべているルフィが、エースには不思議でならなかった。
「そうだぞ。怖くないか?」
「怖い?なんで?もうじいちゃんはいないから谷に落とされないし、空にも飛ばされないんだろ?それに…。」
「それに?」
「エースがいるから大丈夫だ!!」
そうしてまた浮かべる無邪気な笑顔。
エースはフッと笑みを浮かべると、ルフィの頭をわしゃわしゃと撫でながら…
「そうだな。」
と一言呟いた。
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