小説部屋

□強さの理由
2ページ/7ページ

「じいちゃんの船は早ぇなぁ。もう見えねぇぞ。」
「そうだな。」
「なぁなぁエース。」
「何だ?」

クリクリとした瞳の“弟”が、服の裾を掴みながら尋ねる。
あまりにもあどけない、幼い瞳。

「今日から二人なんだな。しししっ。」

新しい島。
新しい生活。

…こいつには不安というものがないのだろうか?
ワクワクした表情をいっぱいに浮かべているルフィが、エースには不思議でならなかった。

「そうだぞ。怖くないか?」
「怖い?なんで?もうじいちゃんはいないから谷に落とされないし、空にも飛ばされないんだろ?それに…。」
「それに?」
「エースがいるから大丈夫だ!!」

そうしてまた浮かべる無邪気な笑顔。

エースはフッと笑みを浮かべると、ルフィの頭をわしゃわしゃと撫でながら…

「そうだな。」

と一言呟いた。




→next
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ