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試験の前、今回も野球部は赤点を回避すべく集まって勉強会を開いていた。
数学は9組、古典は1組…という風に教科によって場所を分けて勉強を始めていたオールマイティー担当西広先生のいる3組の教室の扉がガラガラと突然開いた。

「辰くん助けて…!!」

ふらふらと涙目で両手を広げて教室に入ってくる女生徒に、勉強を教わっていた三橋が驚いて西広を見る。

「スガ先が酷いの…赤点なんか取ったら百叩きだって言うの…」
「!?」

うう、両手で顔を覆って三橋の横の席に座り込む。
それから挙動不審にし始めた三橋へちらりと涙目の瞳を指の隙間から見せれば…

「お互いエースは辛いよね三橋くん」
「ふへっ!?」
「でも勝利を勝ち取るために頑張ろうね」

一人でうんうん頷くと、ゴソゴソとカバンから教科書を取り出す。
その教科書は2年のものだった。
色んなものに動揺している三橋がまたもや挙動不審になると西広が笑う。

「ごめんね三橋、うちのお姉ちゃんなんだ」
「西広くん の」
「それで剣道部のエースなんだよ」
「辰くん、基礎教えて基礎」

西広の姉との出会い、泣き虫なのに剣道部のエース、2年の勉強も教えられる西広…
一体何に驚いたらいいのか分からないのだが、戸惑いながらもまた三橋は試験勉強を再開するのだった。




(西広姉・西浦2年で剣道部のエース。頭は弱いが竹刀を持たせれば一気に逞しい姿に変身/笑)


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