蒼き月の下に
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『・・・・ふあ〜ぁ・・』
昨日はあまり眠れなかった
突然信じてもらえなくなって、居場所を失ってしまうんじゃないか、って恐怖に襲われた
それでもこうして朝練一番乗りで来る私は偉いと思う
部室の鍵を開けて、コート整備して、タオルの準備とかして
そういえば、昨日眠れないなりにも考えたことがある
絶対に、マネージャーは辞めない
辞めたらそれこそ彼女・・葛城優衣の思う壺だと思ったから
ガチャリ、とドアが開く
だいたいいつも私の次に来るのが海堂
今日も一緒だった
『おはよう海堂』
「・・・・・・・」
少しの期待をこめて挨拶をしてみるも、なんの反応も示してくれない
昨日のこともあり、かなりショックは大きい
小さくため息をついて、準備を再開した
「・・・オイ」
今度は海堂が私を呼ぶ
条件反射で振り返ってしまう私
『・・・何?』
「テメエ、昨日のこと忘れたんじゃねえだろうな?」
『・・私はやってないよ』
「じゃあなんであいつは泣いてた!?」
『だから知らないってば!』
「嘘つくんじゃねえ!」
『ついてない!』
気付けば口論になってしまう
朝っぱらからこんなケンカをしたくて朝練に来たんじゃないのに
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