蒼き月の下に

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「よっ」

『あ、赤也・・』




あれから1日が経った

赤也は朝からお見舞いに来てくれた



昨日みんなが帰った後、担当医の先生がいろいろと説明してくれた

1ヶ月も眠ってたなんて、びっくりだ

その間も、赤也は毎日かかさずお見舞いに来てくれていたらしい

ここは東京なのに・・、必ず来てくれていた、

その事実になんだか申し訳なかったけど、同時に、やっぱり嬉しかった




『赤也』

「ん?」

『いろいろ・・ごめんね、
 迷惑かけたくなかったのに、結果的にそうなっちゃったね』

「・・・・・・」

『ちゃんと赤也に、相談してればよかった』

「何にも考えずに自分で背負い込んで行動するとこ、全く変わってねえよな」

『・・・・・・そうかも、しれない・・』

「俺は、何があっても紗弥の味方だからな」

『・・うん、ありがと』








そういえば

気になっていたことが、ひとつ

こたえはなんとなく想像はつくけれど





『あのさ、赤也』

「何だ?」

『関東大会・・どうなった・・・?』

「・・・・・・・・」




申し訳なさそうな顔をする赤也

答えが私の想像通りだったと確信する



『やっぱ・・青学負けちゃったんだ・・』

「青学は2回戦で不動峰に負けたらしい・・」

『そ・・っか、やっぱり・・』

「わかってたのか?」

『あの時の練習見てたらね・・
 ・・そりゃ、勝てないよ』

「多分越前たちが来てくれる、そん時に聞きゃあいいんじゃねえか?」

『う・・うん、そうだね
 立海は?』

「ああ、決勝で氷帝とあたって勝ったぜ」

『そうなんだ、優勝おめでとう』

「おう」





自分の学校が早くに負けたことは少なからずショックだったけど

立海が優勝したと聞いて、嬉しかった

赤也が必死で練習してたことは知ってたから





リョーマくん達がいずれ来ると、赤也は言った

まだ彼らの事は少し怖い

頭では理解しようとしてるのに、どうしても信用できてない部分が心のどこかにある




『リョーマくん達を、さ、
 心から信じ直せる日は来るのかな・・』

「・・・・・・・・・・・・・・・」





来てほしい

もう一度、笑いあいたい

桃達にも・・もう一度私を信じてほしい




『早く・・元に戻れたらいいのに』




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