蒼き月の下に
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「おいマムシ、外まで丸聞こえだぜ?」
そう言いながら入ってきた桃
「マムシって呼ぶんじゃねえ
ただこいつが昨日のことを認めようとしねえだけだ」
「へえ〜」
桃は私を睨みながら言う
『やってないものはやってないの
やってないのにやったなんて言えないよ』
「じゃあなんで昨日あいつの頬は腫れてたんだ?」
『だから自分で叩いたんだってば!』
「嘘だな!」
『嘘じゃない!』
まったくどうしてこんなことになってしまうのか
人に信じてもらえないって、キツイ
「・・・・はあ
いこうぜ、海堂
こんなやつ相手にしてるだけ無駄だ」
「ふしゅぅ〜・・」
「ずっと信じてた俺らが、馬鹿だったぜ」
桃はそう吐き捨てると、部室を出て行った
最後の桃の言葉が、心に重くのしかかった
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