蒼き月の下に

□05
3ページ/7ページ




不二先輩が手塚先輩に何か耳打ちする
手塚先輩はうなづいて、私たちの方に向き直った



「・・・、ここでこんなことをしていても埒が明かない
 海堂、指示を出せ
 ここは俺たちにまかせろ」

「・・・ッス
 練習に戻るぞ」

「「「ウィっす」」」



みんな、練習に戻っていった


みんな、出ていくときに私を睨むのを、忘れなかった




「大石、菊丸、乾、河村
 新マネージャーの彼女、着替えた方がいい
 ついていってやってくれ」

「あ、ああ、わかった」





4人の先輩方は彼女をつれて外へ出て行った


先輩方は気づいてなかったけど、葛城さん、にやり、って笑っていた



部室には、私、不二先輩、手塚先輩が残った




「・・・・さて、切原」

『はい』

「いったい何があった?」

『・・・・・・・・・・』




手塚先輩と不二先輩がわからない

さっき明らかに私を疑ってるような目つきだったのに

なんでこの2人がここに残った?




「・・・僕は、君がそんなことをするような子だとは思えないんだ」

「・・、さっきは少し疑ってしまった、すまない
 だが冷静に考えてみれば、今まであんなにサポートしてくれた切原が、そんなことをできるはずはない・・・」

「ゆっくりでいい、話してくれないかな?僕たちに」

「本当に、お前がやったのか?」













先輩たちの声色があまりにも優しすぎて







『っ・・・私・・・どうしたらいいんですか!?』



今まで平静を装ってこらえていた涙が出てくるのを抑えることはできなかった









.
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ