蒼き月の下に
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『桃たち・・・・間違ったことをしてるわけじゃないと思うんです』
「何を・・・」
訳がわからない、という顔で私を見る手塚先輩
『だって、・・・あんな事をしたって言われたら、だれだって疑うし・・
それが今まで仲の良かった人だったら尚更だと思うんです』
「裏切られた、と思う訳か・・」
不二先輩が気づいたように言う
『はい・・・・・』
「けど・・何も見ていないのに、来たばかりの奴の言葉を鵜呑みにするものなのかな」
「・・余計に、だろう
どんな奴かわからないから、泣いたらそのイメージがつく
弱い奴だから守らなければ、という意識がつくんじゃないか?」
「・・・・・!」
たぶん手塚先輩の言うとおりだ
私が桃たちの立場だったら、私の立場の人を疑ってるかもしれないし
『っあ、あの、このこと、赤也には言わないでほしいんです・・・』
「切原くん、かい?」
『赤也も大事な時期だし・・さすがに言っちゃまずいと思うんです・・・・』
「でも、切原には・・・」
『お願いします!』
赤也にだけは・・心配をかけたくなかった
今たたでさえ大変そうなのに・・これ以上何かを背負わせたくない
「・・ああ」
「不二?」
「わかった。
けど、いざというときに一番頼れるのは彼だってこと、忘れちゃだめだよ」
『・・・・!』
と、その時
不意にドアが開いた
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