蒼き月の下に

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「紗弥!?」

「切原!?」

「先輩どうしたんスか!?」



『・・・・・・・・・』




紗弥はうつむいたまま、何も答えない



そして鞄を引っ掴んで部室を出て行ってしまった





「いったい何が・・・・?」

「俺、見てくるッス」


越前はそう言って出て行った


「俺達も行った方がよさそうだな」

「そうみたいだね」



僕と手塚も、越前の後を追って外へ出た








外にあったのは、派手にぶちまけられたドリンクボトルと

それを知らぬ顔で見ている部員たちだった









「桃先輩!なんなんスか?これ」

「おう、越前、お前どこ行ってたんだよ、突然いなくなったじゃねーか」

「部室行ってたッス
 それより、何があったんスか?」

「あいつがぶちまけてったんだよ
 ったく、片づけずに帰りやがって」

「紗弥先輩、頭から濡れてましたよ」

「葛城にドリンクかけたまま謝ろうとしねーから、俺もかけてやったんだよ」




越前と桃の会話が聞こえてくる

桃はもう、完全に葛城さんの味方だ




「桃先輩、本気で言ってるんスか?」

「・・どーしたんだよ越前」

「桃先輩は何も見てないから言えるんスよ!
 紗弥先輩は何もしてない・・・
 先輩、泣いてたッス」

「葛城だって泣いてたろ、なんでやった奴が泣くんだよ」




「そこまでだ、桃城、越前」





これ以上放っておくときっともっとヒートアップする

だから止めようと前にでようとしたら、手塚が先にとめていた





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