蒼き月の下に
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どれくらい殴られただろうか
もう意識も朦朧として、うまく思考を働かせることができない
「こんなもんか?」
「いいんじゃねーの?」
「これに懲りたら葛城に暴力奮うのやめることだな」
そう吐き捨てて、去っていく人たち
残ったのは、陽菜
『は・・る・・・・』
「・・・いいざまね」
『・・・・・・・・・・え・・・・・?』
「うまく騙されてくれてありがとう」
『ど・・・いう・・・・・』
見上げた陽菜は
とても冷たい笑みを浮かべていた
「馬鹿ね、そうやってすぐに人を信じて
私があなたの味方だ、なんて証拠、どこにもないじゃない」
『っ・・・!・・?』
陽菜が言う言葉に呆然となる
じゃあ私は今まで騙されてたってこと・・・・?
「終わったの?篠崎さん」
「・・ええ、葛城さん」
そしてさらに驚愕するような出来事
・・・葛城優衣が、ここに来ていた
『・・・最初から・・・・グル・・で・・・』
「・・そうよ、篠崎さんは私側」
絶望をつきつけられるとは、このことだろうか
いままで味わってきたものは、絶望じゃなかったのか
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