蒼き月の下に

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負けた、不動峰に

俺と海堂先輩の番が回ってくる前に

桃先輩が、まさかの惨敗






・・いや、まさか、じゃない

想像できたことだ







「・・・海堂先輩、俺、紗弥先輩のところ、行くッス」

「・・・・ああ、俺も行く」








行かずにはいられない

あれだけ青学の勝利を願ってくれていた先輩に、申し訳なさすぎた









「海堂くん、リョーマくん、どこ行くの?」




葛城センパイが声をかけてくる

心配そうな顔、けど目は違う

全然心配なんてしてない目だ





「紗弥先輩のとこ行ってくるんスよ」

「え・・なんで・・・?」

「なんでって、結果報告に決まってるじゃないスか
 行っちゃだめなんスか?」

「だ、だって、あの人・・青学のテニス部壊そうと・・」

「・・・センパイ、」







今の、この人の発言



・・・とてもじゃないけど許せるものじゃない



なんでこの人にこんなこと言われなきゃならないんだ







「紗弥先輩は誰よりも青学の勝利を願ってくれてましたよ

 俺が先輩に近づこうとすると、俺まで嫌われるから近づくな、なんて言ってくれる人なんスよ
 青学テニス部が崩壊してしまうから、って

 そんな人がなんで崩壊させようとするんスか」

「っ・・リョーマくん、騙されてるんだよ!」

「俺は自分で見たものしか信じないッスよ

 じゃあ、俺、行きます
 あ、あと、何回も言ってますけど、俺の事名前で呼ばないでください、吐き気がするんで

 行きましょう海堂先輩」

「・・・ああ」








あの人はまだ俺があっち側につくと思ってる

そんなことは絶対ありえないけど







俺は海堂先輩と一緒に紗弥先輩のもとへ急いだ





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