蒼き月の下に

□18
5ページ/7ページ





ガラッ






「紗弥!・・・・あ」









病室に入ってきたのは、切原赤也さん


この人も、試合が終わってすぐ来たのだろうか


ユニフォームのまま、少し汗をかいている







「・・何しに来たんだよ」

「・・結果報告、だ」

「・・・・・・・」







慌てて涙は拭いたけど、目が赤いのはバレてるかもしれない






「・・、聞いたぜ、青学の試合結果」

「・・・・・・・ああ」

「散々だったらしいな」

「・・・俺達が出る前に、試合が終わっちまった」

「ああ、それも聞いた
 桃城の試合はどうだったんだよ、大差で負けたらしいじゃねーか」

「相手は伊武、実力者だ
 でも今までの桃城なら勝てない相手じゃねえ」

「今までの・・・な」








切原さんは紗弥先輩に目をうつす








「・・こいつな、容体は安定してきてんだ
 もういつ目を覚ましてもおかしくはねえ
 ・・・・けど、覚まさねえ

 ・・もしかしたら、覚ましたくねえのかもしれねえ」


「・・・・・・・・・・」


もし・・そうなんだとしたら、

青学での出来事のせいだろう








「俺は、紗弥をこんな風にしたてめえらが絶対に許せねえ
 だからこの大会でブッ倒してやろう、って決めてたんだ
 なのに・・その前に無様な負け方しやがって」

「・・・・・・・・」

「別にてめーらを責めてるわけじゃねーよ
 桃城とか・・他の奴は別だけどな」

「・・・紗弥先輩・・もう一回俺たちの事、信じてくれますかね・・・」

「・・・・・・どうだろうな」





もう一度、信じてほしい

信頼してほしい






.
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ