蒼き月の下に
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「紗弥!!!」
「っ・・よかっ・・た・・・!!!」
『・・あ・・かや・・おか・・さん・・・・』
母さんが震える手でナースコールを押す
すぐに医師の人達が駆け付けた
紗弥が目を開けているのを見ると、ホッとした表情を浮かべた
「ひとまず大丈夫でしょう
とりあえずゆっくり休んでください」
そう告げると、医師の人達は出て行った
「紗弥、本当によかった・・・!」
『私・・・・・生きて・・るの・・・?』
「1か月も寝てたんだぜ!
ったく、どんだけ寝てたんだよ!」
『・・・・・・・・・』
「兎に角、紗弥が目覚めて本当によかったよ」
「うむ」
「今日目覚める確率は98パーセントだったな」
「・・それ今考えたじゃろ」
『・・・・・・・・・・・・・』
「やはり、まだ痛みますか・・?」
「痛い時には甘いもの食うといいぜぃ」
「今すぐは食えねぇだろ・・」
『・・・・・・・・・・・・・』
先輩達が声をかけても、紗弥は何の反応も示さない
うつろな目のまま、ただ一言
『・・消えることが、できなかったんだ』
と、言った
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