蒼き月の下に

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「・・・え・・・・・?」



俺は一瞬、紗弥の言ったことが理解できなかった

消える・・そう言ったか・・・?




『考えたの

 私がいることによって青学の皆が嫌な思いするんだったら

 私が消えればいいんでしょう?』


「なっ・・・・・・」



その言葉を聞いて思い知った

こいつがどれだけ、青学で苦しめられてきたのかを





・・でも






『だから・・・』

「馬鹿紗弥!!!」

「「「『!?!?』」」」






突然怒鳴った俺に周りはびっくりしたみたいだ

気にせず俺は続ける

ずっと紗弥に言いたいと思っていた言葉






「なんで・・なんで俺に何も言わねえんだよ!
 なんでこんなになるまで俺に黙ってたんだよ!」

『えっ・・だって・・』

「お前のことだから、どうせ、俺に心配かけるだとかそんなこと考えてたんだろうけどよ・・・
 もっと俺を頼れよ
 もっと俺に相談しろよ
 俺のことも信用できねえのかよ・・・」

『っ・・それは・・・』

「頼むから・・一人で抱え込んだりしないでくれよ・・
 俺ら双子じゃねえのかよ・・・!」

『っ・・・!』





紗弥が飛び降りた、って聞いてから、俺は気が気じゃなかった

紗弥が死んじまうんじゃねえか

そう考えるだけでどうかなってしまいそうだった




「ま、まあまあ赤也、紗弥は目を覚ましたばかりなんだから、休ませてあげようよ」

「っ・・、先輩・・・、」

「俺達は席を外そう、その方が良い
 赤也、不二達に連絡するんだろう?」

「あっ・・・」




そうだ、連絡しなければ



「じゃあね、紗弥、俺たちはこれで帰るよ」

「早く元気になれ」

「俺たちは、お前の味方だ」

「信じていただけないのも無理はありませんが・・私たちはあなたを裏切ったりしませんよ」

「プリッ ま、ゆっくり休みんしゃい」

「元気になったらケーキバイキング連れてってやるよ、・・・ジャッカルが」

「俺かよ!? ・・・ま、いいけどよ、」




『立海の・・皆さん・・・・』



「じゃな、紗弥、また来っから」





母さんも一緒に、俺達は紗弥の病室を出た



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