蒼き月の下に
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『・・・・・ふう』
全ての荷物をまとめ終え、部屋に鍵を閉める
『今まで・・お世話になりました』
自分の部屋に向かって軽く一礼すると、鍵を返すために管理人室に向かった
すると
『・・・あ』
「・・・・・っ!」
そこにいたのは、あの日、私が屋上から飛び降りた日、私に声をかけてきた後輩だった
「っ・・・あの・・・・」
『・・・ごめんね、消えることができなかったよ』
「っ・・・まさか・・ほんとに飛び降りちゃうんなんて思わなくて・・・!」
今さら何を言っているんだか
[消えろ]なんて言われたら飛び降りたくもなる
「・・・、すみませんでした・・・!」
『・・・・・・
私の事を信じてる訳じゃないのに、謝れるなんてすごいね』
「あのっ・・私たち・・・!」
『・・ああ、安心してね
私、転校するの、中途半端な時期だけど・・』
「えっ・・・・・」
『もう、青学テニス部にはかかわらないから』
私はそれだけ言うと、ばつの悪そうな後輩の横を通って管理人室へと向かった
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