短編小説

□その人は私を人として見てくれる
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彼奴は俺をモノとしてじゃなく、人として見てくれた。恋人という対等な立場で付き合える事に誇りにも似た感情が胸からせり上がり、口端はだらしなく釣り上がる。そんな時に「忘れるな、これは危険な駆け引きだ」、とどこかで知った声が忠告のように耳朶に齧り付くのはもう随分前から起きている事だ。
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